あなたの足を支える“3つのアーチ”〜歩く・立つを守る大切なしくみ〜

毎日を支える足の仕組み、知っていますか?

足には、体を支えるうえで非常に重要な「アーチ構造」があります。具体的には、内側縦アーチ(親指側)、外側縦アーチ(小指側)、そして横アーチ(足の指のつけ根を横断するような弓状の構造)の3つです。

これらのアーチは、単に足の形をつくっているだけでなく、「体重を分散し、衝撃を吸収するクッションの役割」や、「効率よく地面を蹴り出す推進力の源」として、歩行・走行を支える大切な機能を担っています。

内側縦アーチ

足の親指側(内側)にある最も高さのあるアーチで、土踏まずの部分に当たります。歩くときの衝撃をバネのように吸収・放出しながら体へかかる荷重を分散しています。

足の裏にある足底腱膜や内くるぶしの後ろを通る後脛骨筋腱などが内側アーチを引き締め、つま先で地面を蹴り出す推進力を生み、膝・腰への負担も軽減する役割を果たしています。

外側縦アーチ

小指側(外側)に位置する低いアーチで、内側縦アーチが沈んだ瞬間に受ける荷重を補い、足全体の安定性を保つ“受け皿”の役割を担っています。

足首にかかる動きを緩衝し、でこぼこ道や横方向の動きに対して身体がぐらつかないよう支えるため、ランニングやジャンプする時の捻挫予防に重要な役割を果たしています。

横アーチ

中足骨頭(足の指の付け根)を横断するアーチで、つま先立ちや歩く時につま先へ集中する力を均等に分散し、足の指の細かい運動を保っています。

適切な横アーチがあることで、地面をしっかりとらえた安定した推進力を得られるのです。

足のアーチ構造は、私たちの身体を支える土台として非常に大切な役割を果たしています。歩いたり立ったりするたびに、アーチは地面からの衝撃を吸収し、身体全体にかかる負担を分散してくれます。

しかし、このアーチは年齢とともに筋力が低下したり、長時間の立ち仕事や合わない靴を履き続けることで徐々に崩れてしまうことがあります。

アーチが崩れることで、足の疲れや痛みが出るだけでなく、膝や腰への負担も大きくなり、姿勢の乱れや慢性的な不調にもつながってしまいます。

だからこそ、足のアーチ構造を保つことは、健康的な歩行を続け、全身のバランスを守るうえでも非常に重要なのです。